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健康情報広場

2011-09-20
Malignant Tumorと「ポチ子」
小山中央医院 山中桓夫
 最初の便りから、半年以上経ってしまいました。
3.11の大震災、その後の原発事故、そして遅れる復興。私の関わっている特別養護老人ホームにも南相馬市から6名の方が避難してまいりましたが、未だ帰郷の音沙汰すらありません。最高齢のご婦人は齢99歳です。長い行程を経て、当施設に到着、早速入浴。
認知症の方ですが、“ああ気持ち良い”の一言。一刻も早く、この一言を故郷で発していただけることを祈りたい。
 ともあれ今年も昨年同様酷暑が続きました。例年であれば公園の鬱蒼とした林に隣接する拙宅は、比較的快適な夏を送るのが常でした。しかし、昨年に続き今年もゴルフの素振りすらやる気力も湧きません。ある全国版新聞のコラムに“亜熱帯化した小山市において・・・・”の記述をみて、妙に納得したものです。天気予報は、栃木県宇都宮でなく埼玉県熊谷市を参考にしています。
 ところで、“ゴルフボールの硬さ”を体感された御仁は、そんなに多くは無いと思いますが、跳ねたボールですら当ると結構痛いのです。少し深い芝生に隠れたボールを探して、うっかり踏んでしまったときは石を踏んだ感触です。このような感触を患者さんのお腹や乳房などに認めた場合(もちろんこの場合手による触診です)、ちょっと緊張します。悪性腫瘍(malignant tumor)の可能性が強いからです。直ちに、超音波検査を行います。悪性ですと各臓器で特徴のある所見が得られます。周囲のリンパ節腫大の有無、腹部ですと必要に応じて肝臓への転移の有無などをチェックします。このような患者さんは、初診の方が多いのですが、初診時記載していただく問診表の家族歴を見ますと癌の家族負荷を有する方が多いようです。癌家系の方は特に用心下さい。定期検診が最も有効です。
 十数年前になりますが、胃腸の不調を訴えて、30才台半ばの女性が来院。症状は所謂胃腸薬で改善されましたが、家族歴の欄に“姉、大腸癌”の記載あり、年一回の検診を勧めました。便潜血反応2日法を主体に画像診断、血液検査など当院でも年1~2回定期的に行っていましたが、特に問題なく経過していました。ところが、数年すると全く来院しなくなり、最終検査から約6年して浮かぬ表情で診察室に入って来られました。年齢も50歳に近づいておりました。右下腹部を指して“先生、ここに固い変なものがあるような気がするのですが・・・”。早速、触診、明らかに硬結触知。超音波検査で上行結腸に腫瘍が腸の全周性に浸潤し内腔を狭小化したときに認められるpseudokidney sign(腎臓に似た画像を示すため)を確認。肝臓には周辺低エコー帯を伴う高エコー腫瘤(bull’s eye sign:まさに雄牛の目のような像を呈します)が散在していました。典型的な消化管からの転移性肝腫瘍像です。直ちに、大病院消化器外科宛紹介一通。くれぐれもご用心。
 ところで、ポチ子ですが、健やかにしかもかなりの美形に成長。散歩に連れ出しますと近所にある大学の女子大生達が“かわいい、かわいい”と寄ってきては頭などをなでなでします。この際、飼い主は全く無視されています。しかし、悪い気はしません。このため、せっせとポチ子との散歩に励みました。その結果、飼い主の体型はスリムになり、少々上昇気味であった血糖も全く正常化。しかし、女子大生達、飼い主に対しては依然として無関心のままでしたが・・・。 To be continued.
 
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