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健康情報広場

2011-02-18
学長室の窓から(2)
杏林大学学長 跡見裕

医学部時代の同級生が、集まることがあります。食事をしながらの話題は、例にもれず自身の健康のことですね。高血圧、不整脈、白内障等、同病者がいると妙に盛り上がります。全員が医師なのですが、会話はとてもそうとは思えません。“それは検査をするからいけないんだよ、検査するからわかってしまうじゃないか”とは、某大学の名誉教授でした。

以前、私は検査で血糖が少し高いとでました。母に“身内に誰か糖尿病の人はいるの?”と尋ねるとその返事は、“そんなこと調べるからいけないわ”です。母は92歳で亡くなりましたが、たまに義兄の病院で血圧を計るくらいで、これといった検査をしたことのない人でした。

 

健康診断も含め検査を受けるかどうかは、なかなか難しい問題を含んでいます。健康診断は無駄だとの意見も時々みますし、CT検査の放射線被爆の害も指摘されています。一般的には、健康保険は病気になると一定程度保証してくれますが、予防的検査のためには認められていません。健康は自己責任の要素が強いとの考えでしょうか。

漠然とした不安感で、様々な検査を受けることは、やはり行き過ぎでしょう。症状が出てから治療して治る病気もあり、検査でみつかってもそれからの進行がきわめてゆっくりなものもあります(癌の中にもです)。しかし、日本人がかかりやすく死亡者も多い病気で、しかも早く見つかればきちんとした治療ができるものがあります。このような病気を見つけるには、定期的な検査を受けた方がよいと思います。胃がん、大腸がんなどは、早い段階でみつかれば内視鏡的な切除などで治るのですから。

 
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