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健康情報広場

2013-04-24
診療所だより 2013 春
小山中央医院 院長 山中桓夫 (栃木県小山市)

 例年この時期は、その名もゆかし“思い川”の河畔が桜に覆われ心地よい小鳥のさえずり、ゆったりとした川の流れなど実に快適な散歩が楽しめる。さらに昨年は、両岸が菜の花のあざやかな黄色に埋め尽くされ、この景観は川辺に沿って延々と続いていました。今年も春先からこの光景の到来を楽しみにして、写生するならあそこ、草原の昼食はここでなど期待を膨らませていました。気候の加減で桜は早々に満開となりましたが、一向に川辺の菜の花、黄色が見えません。立ち枯れのススキの淡い茶色のみ目立ちます。桜は、すでに葉桜です。しかし、昨年のような見事な一面の菜の花の黄色はついにその姿を見せませんでした。今年の異常気象のためか、昨年秋の大水で根こそぎ流されてしまったか、はたまた人間が何か余計なことをした結果なのか、明らかな答えは見出せません。世の中、解明できそうにない事柄、多々あります。

そういえば、昨年の第98回日本消化器病学会総会は、学会理事長であり小生の古巣自治医科大学消化器内科の主任教授菅野健太郎先生の主宰で“トランスサイエンス時代の消化器病学”をメインテーマとして開催されました。“Trance-science”聞きなれない言葉と感じる方が多いと思われます。USAの著名な物理学者であるA・ワインバーグが提唱した概念であり、「科学に問うことはできるが、科学だけでは答えることのできない問題」(Questions which can be asked of science and yet which cannot be answered by science)という意味です。東日本大震災における原子力発電事故などは、サイエンスと人類との関わりに大きな課題を問いかけることになりましたが、まさにその状況がトランスサイエンスであります。トランスサイエンスほど難解でありませんが、我々は日常生活において次々に発生する種々の問題に直面しています。そして、その問題を苦労しながら解決しております。もっとも解決できそうにない問題も山のようにのっこています。問題解決のヒントを得るため、私が日ごろ愛読している一冊の本があります。“How to solve it”の表題で、G. ポリアという数学者が書いた本です。初版は1945年ですから随分長い間読み継がれていることになります。因みに、マイクロソフト社では新入社員の必読書に指定されていると聞きます。本邦では、柿内賢信氏により翻訳され丸善出版より出版されています。問題解決のヒント満載です。

ところで、我が愛犬、ポチ子ですが、齢16歳となり、その美貌はいささかも衰えずとはいえ、脱毛や短期記憶障害、昼夜逆転、不潔行為などの認知症症状が次第に顕性化してきました。まさに、how to solve it です。

 
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