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2012-03-29
健康相談広場(4) 『健診で糖尿病…と言われてしまいました』
お答えいただいたのは…          はるクリニック 院長 岩﨑 晴美先生

(糖尿病内科・内科・小児科/東京都西東京市)
Q

生活習慣病健診の結果、糖尿病の疑いがあると言われました。身内に糖尿病の者はいませんし、いま特に体調が悪いわけではないので、取り敢えず、甘い物を食べるのを控えて、ダイエットに挑戦することにしました。ずっと薬を飲み続けたり、注射をしなければならないのでしょうか。考えると憂鬱になって、なかなか受診するまでの気持ちになりません。適切な治療をしていただけるのか不安です。

A
私のクリニックにいらっしゃる患者さんも3分の1くらいが、健診の結果、糖尿病と指摘を受けた方々です。糖尿病の特徴のひとつとして、当初何の自覚症状もなく、なかなか受診に至らない点です。
糖尿病は、単に甘い物が好きとか食べ過ぎたからすぐなるという単純な病気ではありません。消化された炭水化物や糖はブドウ糖として体内(血液中)に吸収され、脳や体のエネルギー源となります。血液中のブドウ糖の量(血糖値)を調整するホルモンが、膵臓から分泌されるインスリンです。健康な人はインスリンが血糖値を上手にコントロールしているのですが、ストレスや運動不足、欧米型の高カロリー食を摂取しすぎるなどの生活習慣が続くと、インスリン需要が増えるため膵臓が疲弊し、働きが低下して、ついにはインスリンを作れなくなります。そうなると血糖値を上手にコントロールできず、糖尿病になるのです。
そして重要なのは、「糖尿病は進行性の病気で、治らない」、「必ず多くの合併症を引き起こす」点です。だからこそ、発症初期のうちから治療することが大切です。初期のうちは食事療法、運動療法で充分対処でき、逆に安易な投薬はリスクが高まります。(低血糖を起こして転倒して骨折、入院…などの実例も多々あります)
正しい療養生活を送るための方法を教わり、また自覚症状がない病気ですから、定期的に血液検査を受けるため、病院に行きましょう

Q

すると、いま何の自覚症状もないからといってのんびりしてはいけないということですね

A

まさしく最初が肝心です。
運動療法は比較的取り組んでいただきやすいのですが、中には張り切って走ったり、歩きすぎたりして、かえって膝や腰を傷めて運動できなくなってしまうような方もいます。その方のライフスタイルに合わせて適切な内容を、継続していただくことが大切です。
食事療法は、食事は日々のことですし、適切な指導のもとでしっかり管理、継続していただかなければなりません。お菓子を控えるのはわかりやすいですが、果物は?飲み物は?など、当院では、1回当たりの適量をわかりやすく写真やイラストで示したりして、ご自身が把握していただけるようにご説明するようにしています。
糖尿病の合併症は、腎臓、神経障害、眼や歯、心臓や脳など体の様々なところにでき、糖尿病罹病期間が長くなればなるほど、発症リスクが高まります。

そこで、私は「糖尿病連携手帳」を持っていただき、眼科や歯科の受診、看護師や栄養士の指導など、担当医師だけでなく、多くの人たちが関わって、まさに「チーム医療」で患者さんと共に治療に臨むことがとても重要と考えています。患者さんにとっては長い道のりで、治療に飽きてしまいがちなので、日常の血糖値を含めた必要なデータや体の状態や治療内容を記した手帳を共有して、こちらも情報提供しながら一緒に歩いていくことを目指しています。
薬を服用する場合も、食事のタイミングやお仕事の内容によっては、薬の種類や飲み方を工夫する必要があります。インスリン注射などは、現在多くの種類がありますので、患者さんによって選択が異なります。糖尿病は、まさしく「生活習慣」の中で、糖尿病療養指導にかかわるスタッフ全員が力を合わせて向き合わなければならない病気なのです。
 
 
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