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2011-12-10
健康相談広場(2) 『自覚症状がないのに“痔”?』
お答えいただいたのは…            ちとせクリニック 院長 河端 誠先生

(内科・消化器科・胃腸科・外科・肛門科/千葉県船橋市)
Q

健康診断の「便潜血検査」でプラスだったため、再検査の結果、大腸その他には問題なく、「痔」だと言われました。便秘気味ですが、排便時に出血したり、痛かったりというような自覚症状はありませんので、痔ではなく大腸がんなどの他の病気ではないかと心配しているのですが。

A

私のクリニックでも便潜血検査で出血のあった方の1割くらいは腸のポリープや大腸がん、胃や十二指腸の疾患など「痔」以外の病気である場合があります。
日本人の3~4人に1人は「内痔核」、いわゆる「内側の痔」があると言われ、そのうち、痔の三大症状である出血、痛み、脱肛(飛び出し)の自覚症状がある方は1割くらいでしょう。ですから症状がなくても痔であることは珍しくありません。
座ったままの仕事、立ったままの時間が長い仕事、重い物を持つことが多い仕事などの方はなりやすく、女性は便秘や出産がきっかけでなる方が多く、男性は運転手さんのように長時間座ったままという方やアルコールが原因である場合が目立ちます。
痔は進行する病気で、検査などで気づいた時は症状がなくても、放っておくと悪化し、症状が出て慌てる方が多いです。痔といってもすべての方が手術するわけではなく、便秘を改善することで手術が必要ないこともあり、痔の進行を遅らせることができます。便秘気味と自覚されているのであれば、やはりまずは便秘の改善を考えましょう。
便秘の改善は痔に限らず、健康面のすべてに通じる大切なことです。本来、出すべきものが出ないまま体の中に留まっている状態なわけですから、腹部の張り、肌荒れ、吹き出物、体重増加など様々な問題が起きてきます。しかし改善されれば、肌もきれいになり、お腹がへこむ、体重が減る、など健康的になっていくわけです。

Q

便秘薬を服用したことはありますが、あまり続けてはいけないかと思い、便秘がひどくなってきたら使うようにしています。

A

便秘薬が処方されても勝手に飲むのを止めてしまう人が多いのですが、ひどくなった時に出すためだけに薬を使うのではなく、本来は続けて服用し、1日2回排便があるくらいにすべきです。私の所へも途中で薬をやめてしまって、便秘が悪化して慌ててやってくる患者さんが多いですが、自分の状態を知り、コントロールすることが必要なのだということをよく理解していただきたい。通院しながら治療、調整し、自分でコントロールできるようになるには2ヶ月くらいかかります。
改善のための治療としては、腸を刺激して排便を促す「下剤」が第一選択です。下剤は顆粒剤をよく使いますが、これは量の調整ができ、自分でコントロールしていただくのによいと考えるからです。
確かに、強くて調整がしづらいタイプの下剤ばかりを大量に続けることは私も反対です。高齢者のように腸自体の押し出す力や腹筋が弱くなってきたり、人によって、あるいは状態によっては、薬の増減や便の水分保持のための薬を追加することで、出しやすくすることを考えます。
まずは便秘の改善が健康のもとです。そして、便潜血検査は定期的に受けておくことをお勧めします。

 
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