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健康百話

2011-02-08
長廻雑記帖(2)人生の四計
長廻 紘

「一年の計は元旦にあり」とか「36計逃げるにしかず」とか申します。計とは見積もりを立てる、その伝で人生に四計あり。人生の四つの苦、生老病死のそれぞれに対して計がなければなりません。よく計算して臨まないと人生は悲惨。よく生きる者は良く病に処しかつ老いる、よく老いる者は良く死ぬ。死ぬときですら上手でなければ結局この世は詰まらない。

 

生計。普通は暮らしの立て方をいいますが、ここでは生き方、生の見積もり。生きることがナゼ苦に入るかは、生きてみれば直ぐ分かること。皆さん苦闘の最中でしょうから余計な言は避けます。今更いってももう遅い。ただ一つだけ言わしてもらえれば、「壺中有天(『後漢書』方術伝)」。壺の中の別天地。激務からはなれた自分だけの別世界を持つこと。

老計。いかに老いるか。放っておいても老いる、嫌でも老いるが老い方がある。上手に老いるためには老を悪とも悲しみ厭うべきこととも決めつけない。老いは嘆くに足らずだが、嘆くべきは老いて虚しく生くることなり。老いて益々人生の佳境に入る、妙を知る。老いて評論家になっているようでは仕様がない。新しい価値観に生き直す。社会から不要とされているのに気づかずあるいは気づかぬ振りをして、しがみついている輩がいる。要レッドカード。妙が分かるには欲を無くす。老計とは欲を去って、心が老いるのに抵抗する。それには孔子の言う「両忘。発憤忘食、楽以忘憂」、ものに感激して食うことを、努力のなかに感激して憂いを、それぞれ忘れる。いつまでも金だ女だといっている者は充分生きてこなかったから。『淮南子』に「行年50(今だと70)にして49年の非を知り(知非)、60にして60化する」とある。50になったらそれまでの49年間の間違いに気づく。60になっても60になっただけの変化を遂げる。老いると身体が硬くなるのは仕方ないが、それにつられて心も固くなってはイカンのである。よいワインや紹興酒のように老いる。

病計。普段からよい医者や友人(意中有人)を見つけておく。


死計。放っておいても死ぬわけだから死計はない筈だが、ある。見苦しく、刀折れ矢尽きて、追い込まれない様に計って逝くのが死計。追えば逃げるモノを追わない心境になる、金も女もいらない。よく老いる者は死して朽ちず。病ととことん付き合い、人生の妙を知り尽くして死ぬ。死ぬまでボケない。だが必ず呆ける惚ける暈ける。周囲の者にぼけたときの処置を正しく伝えておく。間違っても食べたり食べさせられたりしない。食べるのは生を楽しみ人生の妙を知るため。虚しく食べても虚しく生るだけだよ、君。


 
 
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