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健康百話

2017-03-23
健康百話(61)健康寿命2 負荷をかける
長廻 紘

 動物は身体に負荷(ストレス)をかけ続けなければ衰える一方です。すべての前提として、まず姿勢を正す。壁を背にして立ち、踝、脹脛、尾骶骨、背頂、頭背が壁につくのが基本で、どこかが浮き上がるとまずいわけである。足には歩くことが持続可能で最良の負荷。腰を伸ばし顔は上を向いて、一日1時間程度できれば連続して歩く。腰への負荷はラジオ体操が一番です。昔の日本人の写真を見ると腰がピタッと決まっていてブレない。内臓への負荷は意識的な呼吸、横隔膜を下げるという腹式呼吸で腹部内臓を丹田方向に押し込む。座って30~60分続けます。胃腸も肺も同時に強化されます。呼吸は小宇宙である人間と大宇宙であるいわゆる宇宙をつなぐもので意識的な呼吸を続けることによって広い世界とつながっていることが分かります。胴体と他部の結合部は放っておくと固まりやすいので動かす、負荷をかける。それにもラジオ体操。口の運動も大事です。「アイウヴェー」運動。大きく口を開けア、イ、ウといって最後にヴェーと舌を出す。口を動かすのは喋るためでなく食べるためです。この運動によって喉の嚥下力も強化されます。これを一日、朝晩20回ずつ繰り返す。頭の負荷とは、就いている仕事について考え、問題点を抉り出しそれを解決してゆく努力。
老化とは、分かったつもりになるとよく分かるが、考えすぎると分からなくなる。老化は持って生まれたシステムが内外からの刺激によって徐々に正常から外れてゆくこと。体内脂肪は死亡率と関係があり、BMI(body mass index)が高すぎても低すぎても死亡率が高くなる。最も死亡率が低いのはBMIが男性で24~25、女性で22~23、いわゆる小太りの状態といわれている。
健康寿命を短くするものは各種の病気です。高齢者が病気になると死亡しないまでも体力の低下を来し健康を損ない、寿命とくに健康寿命を短縮させることは言うまでもありません。病気の中でも、高齢者は肺炎が注目されます。高齢者の肺炎は死亡に直結することも少なくない上に、負のスパイラルに陥りやすくします。まず寝ることによる体力の低下とADLの低下が将来されます。次いで心身の機能が低下する生活不活発病(廃用症候群)がきます。これは長期の安静状態の持続によって起こるベッド生活の副作用で筋力・体力低下、拘縮、起立性低血圧などの諸症状のことです。さらに寝たきりになる、飲み込む力が弱くなり嚥下性肺炎に至るという悪循環に陥る。 
身体だけではなく心にも負荷を。年令は時間がたてば自動的に取ってゆくものですが、上手に年を取ることは大変難しいことです。顔を見れば上手にとったか否かはすぐに分かります。自分のためにしていることが同時に他人の為になっているということがポイントでしょう。人間は自分が一方的に見ていると思っているけれども、必ず他人が見ているものです。何かをきっかけにして見ると同時に見られていると気づくものです。少なくとも神様は見ています。
ADL(activities of daily living日常生活動作):立つ、座る、歩く、食べる、その他何でも日々生きてゆく基本になる動作。飛んだり跳ねたりははいりません。ADLの低下が要介護への入り口です。

 
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