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健康百話

2017-03-23
健康百話(60)健康長寿1 健康寿命と平均寿命の差10年
長廻 紘

 不健康な老人の増加は悪い言葉でいえば有限であるエネルギーの無駄遣いということになり、政府ににらまれる。政府が無駄と思うことは予算に反映されて、分かる人にはわかる。健康でなくなったら間を置かず死亡する、いわゆるピンピンコロリが国にも個人にも理想とされる。完全機械という思想があって、全部が同時に故障する機械を言う。それでは危なくてしようがないので、どこか他に先駆けておかしくなる部分があらかじめ設計されている。その部分の異常を見て早めに対策をたてる。人間も完全機械(ピンピンコロリ)ではないのであちこちが、腎臓つぎに消化器といった具合にだんだん弱ってゆき、心臓あたりがおかしくなると終わりが見えてくる。身体を若返らせることは無理であるが、長持ちという名の維持は努力次第で可能である。病気は予防できる。しかし、いずれにしても老化と死亡はやってくる。そういう前提で人生設計をわれわれは無意識のうちに立てている。
長寿は誰もの願いである。日本は、男性の平均寿命は80歳、女性のそれは87歳で、世界有数の長寿国になりました。長寿が実現してみると単なる長寿は必ずしも良いとばかりも言えないことが分かってきました。老いることは肉体的にも精神的にも、また老人を抱える周りの人たちにとっても苦しい。単に生きるだけでなく健康でなければ長寿必ずしも有難いことではありません。そこで生まれたのが健康長寿という考え方です。自立していて心身健やかでかつ長寿である者が健康長寿者。高齢者の健康は生活機能によって評価すべきものと思います。
健康寿命は現時点で、男性で71歳(平均寿命より9歳若い)、女性で74歳(同12歳若い)。厚生労働省はこの平均と健康の差約10年を縮めることを目標に第2次「健康日本21」に、平均寿命の延びを上回る健康寿命の延びを盛り込んでいる。要介護になる原因疾患は、男性では脳血管疾患が、女性では高齢によるフレイル次いで脳血管疾患、骨折・転倒がくる。このように性差がみられます。
介護が必要になるには三つのルートがあって、生活習慣病、認知症そしてフレイル(虚弱)である。生活習慣病である高血圧や糖尿病などの合併症として高率に起こる脳卒中は比較的若い老人に要介護度の最も高いものである。認知症は認知能力の低下に始まるが進行して運動能力も寿命も侵されてくるもので、後期高齢以降の世代に多い。最近注目されるようになったフレイルは以前にも述べたが、筋力や活動度が徐々に低下しついには動けなくなり要介護に至る。「指輪っかテスト」。両手の親指と人差し指で輪をつくり、ふくらはぎの最も太いところを囲む。隙間ができるのは筋肉量が減っている、フレイル。フレイルは他の二つ以上に予防努力によって防止できる。その基本は食事、運動、活動です。食事は肉や魚といったタンパク質と野菜を十分に取る。運動は体が熱くなる程度の強度をもつ体動を、なによりも毎日行うことが大切である。運動の貯金はできないからです。活動とは閉じこもることなく教養(今日用がある)と教育(今日行くところがある)に意を注ぐこと。

 
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