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健康百話

2016-11-22
健康百話(56)水分の摂取
長廻 紘

 人の身体の半分以上は水分です。水分には水のほか塩分など体を整えるミネラルも溶けています。成人の体重の3%以上の水分(60キロの人では1.8キロ)が失われると脱水になります。身体に入る水分は飲み物のほかに食事中にも1ℓ以上程度の水分が含まれています。食欲減がそのまま水分減につながります。
出てゆく水分は汗、尿、便、肌や皮膚からの蒸発(1キロ/日)です。下痢や高熱では1.8キロくらいは容易に失われます。
 脱水の症状は初期には軽いだるさや食欲低下などの夏バテ症状でなかなか脱水とは気づかれません(隠れ脱水)。進んでくるとめまい、立ちくらみなどがみられます。身体中で水分を多く含む臓器は脳、消化器、筋肉の三つで、これらは脱水によるダメージが大きい。脱水によって脳はめまい、立ちくらみ。消化器は食欲不振、嘔気。筋肉は筋肉痛やこむら返りなどが生じます。高齢者が脱水症になりやすいのは筋肉の衰え(保水力の低下)によるところが大きい。筋トレなどによって筋肉の衰えを防ぐことが大事です。
 脱水は次のような方法で見分けることができます。1.握手したとき手が冷たい 2.舌が乾いている 3.皮膚をつまんで放したとき3秒以上形が戻らない 4親指の爪先を圧迫したとき赤味が戻るのが遅い(2秒以上) 5.汗による潤いがあるわきの下が乾いている。
 脱水が起きると体内の水分を節約するため尿量が減少する。それによって老廃物や病原体が体内に残り易くなる。尿で洗い流す力が減るために、尿路感染症や尿路結石が起こりやすくなる。また脱水によって痰の量が減り肺炎が起こりやすくなる。
 脱水対策としては暑いところ(屋内外を問わず)に長くいないことと3度の食事をちゃんと摂ることが基本であるが、そのうえで好きな飲み物をひんぱんに取る。ビールは利尿を促進するので望ましくない。脱水が起こったらもちろん、予兆が在ったら経口補水液を速やかに摂取する。
 適正な水分量。人間に必要な水分と栄養の大体のところは体重と年齢に応じて決まっていますが、高齢者には若年者に比べて少なめに計算されています。体の動きが極端に減っている高齢者にどれくらいの水分とカロリーが適正であるかは分かっていません。口から食べられるときには、ふつう身体の状態に応じた水分量と栄養量は食欲によって自動的に調整されています。恒常性(メオスターシス)という概念があり、動物には条件に合わせて自らの生理的条件を維持しようという自動能があります。生体の最後の過程も生理的にある規則にそって行われています。次第に心臓ポンプの力が弱まり末梢まで血液がゆかなくなり、意識が薄れ、最後は呼吸中枢に酸素がいかなくなり呼吸が止まります。
消化管には飲食によって入った水分、消化液など、一日8-10リットルもの液体が動きまわっていて、それらは腸管で再吸収され残ったものが固形になって便として排出されています。早く排出されれば液体の多い便(下痢便)、腸内に長くとどまれば液体の乏しい硬い便ということになります。

 
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