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健康百話

2016-08-19
健康百話(49)肥満
長廻 紘

肥満は美容のみならず健康の敵です。肥満がもとでなる病気は数知れません。肥満は万病のもと。肥満は高血圧、喫煙に続いて三番目に死亡リスクを高める状態とすら言われています。太っているのは安くて食欲を増す油いため食品などで命をつないでいるひと、太らざるを得ないから太っていると、アメリカ貧民地区からのレポートは伝えています。
まず肥満の定義から。肥満とは体格指数(body mass index BMI)が25以上を指します。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数値で、体重80kg、身長1.70mの人は80÷3=27、すなわち肥満となります。肥満者は日本人男性の28%、女性の20%を占めるそうです。肥満症とは肥満の人になんらかの成人病たとえば高血圧、糖尿病などが加わったものを言います。
肥満症とは脂肪過多症のことです。必要以上に脂肪が摂取されると体内に溜ります。内臓に溜るのと体表に溜るのとがあります。
近年、肥満者における癌リスクの増大が注目を集めています。たとえば、BMIが上昇すると乳癌罹患率が上がるという研究報告があります。乳がんの発症に女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌が深くかかわっていますが、閉経後の女性では脂肪細胞がエストロゲンの分泌を促すので肥満では乳癌の危険性が増すことになります。ちなみに、脂肪は物質がそのまま貯まるのではなく脂肪細胞に貪食されてその量が増えるのです。
肥満、太っていることは何故嫌われるのでしょうか。アメリカでは自分の体重すらコントロールできない意志薄弱な人と思われるそうです。貧しい人は安くてカロリーに富んだ食品を食べるから太ると言われていて、現に事実のようです。
人体は単純なものではなく、あちら立てればこちら立たず。肥満が好ましくないからと言って痩せればよいといったものでもありません。太りすぎも痩せすぎも健康面からは共に良くありません。痩せすぎは免疫能の低下をきたし各種の成人病のリスク向上につながります。強調すべきは感染症への抵抗性が低下することで、とくに肺炎が注目されています。若い人では抗生物質で簡単に治る肺炎も高齢者では致命的であり得ます。BMIが19未満では死亡リスクが肥満者より高いと言われています。
肥満から逃れるために摂食量を減らしたり運動量を増やしたり、あるいは双方を併用するという方法でヤセを目指すダイエットということを耳にし眼にするようになりました。太るのは使う量(エネルギー消費量)より入る量が継続的に多い時におこります。エネルギー消費量の内訳の60%が基礎代謝量(呼吸や心活動などの生命維持に必要なエネルギー)、30%が仕事や家事あるいは運動などといった身体活動量、残り10%が食べたものの消化吸収につかう食事誘発性体熱産生です。早食いが肥満につながりやすいのは、満腹感の問題のほかに食事誘発性体熱産生が低く抑えられことが関係すると最近分かってきました。

 
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