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健康百話

2016-04-14
健康百話(41)癌と認知症
長廻 紘

日本人のあいだで最も恐れられている病気は癌と認知症です。しかし、この二つには根本的な違いがあります。癌は癌細胞という異常細胞が増える病気、認知症は正常な脳細胞が減る(正常に働かない)病気です。癌は増えた細胞の塊を取れば治るけれども、認知症で減る細胞は脳細胞という再生しない細胞です。取れば脳が無くなってしまい、治るどころか命までなくなってしまいます。なぜ脳細胞が減るかは分かっていません。
というわけで癌は治り認知症は治らない(現時点)という、大きな違いがあります。○。まず癌について。
1.癌は原因が分かり、治療法も確立されつつある疾患です。30-40年前と大きく違ってきています。癌に罹り治った人は沢山おられます。治ると言ってもただじっとしていても良いというものではありません。癌をよく知ることが大前提です。原因が分からないから怖れられていたのです。原因が分かればありふれた病気です。癌が治せるようになったそもそもの始めは内視鏡によって小さな癌が見つかるようになったからです。小さな癌は簡単に治せます。
2.すべての病気には原因があります。外因と内因です。後者は、生活習慣(LS、life style)と遺伝子の作用が因となります。たとえば糖尿病や高血圧はLSと遺伝因子の相乗作用によって起こる病気です。片一方だけでは起こりにくく、遺伝子が人によって違うため、似たような生活歴のある人のあいだでも、ある人は発病しある人は発病しません。癌も内因性疾患であり同じことが言えます。
3.癌は小さいものが段々大きくなって行く病気です。受精卵は10か月で3㌔に育つが、癌はできても多くは死滅し1年経っても1gくらいにまでしか育ちません。生体の抵抗が大きいからです。「赤子の手を捻る」という表現があるように、小さい内に見つけ(癌検診)処理するのが、予防に次いで癌死から逃れる第2の方法です。癌が怖いのは大きくなるまで症状が出ないことです。 
4.癌は同じ癌という言葉で呼ばれていても、同じではありません。a.発癌からの時期(早期癌と 進行癌)、b.癌ができた臓器、またc.癌自体の性格(発育が速いものと遅いものがあります)によって違い、一口に癌と言っても患者に与える作用(致命度)はまったく違います。 全癌の10年生存率は58%であるが、早期の胃・大腸癌は95%以上、進行癌は50%以下。乳癌、前立腺癌80%以上、肝臓、膵臓癌20%以下というのがそれぞれの生存率といえます。
5.癌を治すには a罹らない(予防) b早く見つける(検診) c自分の医者にならない(自分勝手な判断をしない) dよい医者にかかる  eお金を惜しまない その他

○.認知症は、脳の神経細胞にアミロイドという物質が沈着し、細胞死滅に至る病気です。細胞は、ふつう死滅と再生を繰り返すものですが、神経細胞だけは再生しない細胞なので、いまのところ認知症は予防法も治療法もない疾患です。製薬会社も医者も効く薬があると言っていますが、どうでしょうか。進行をせいぜい遅らせることが出来るだけと思っていた方が無難であると思います。

 
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