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健康百話

2015-08-19
健康百話(28)健康について 2.心のストレッチ
長廻 紘

 健康とは考えると分からなくなると言いましたが、健康という言葉がないと語れないことどもは数多あるのです。健康は他人に教えられるものではなく、もっともよく知っている自分自身で考えることが基本になります。健康を話題にするときには、健康とは何か(そのような定義はないと言いましたが)を、自分なりにハッキリさせてからでないと、時間のむだというものです。教えてくれるはずである医者に尋ねると、健康などと言った得体のしれないものにかかわってはくれず、病気を見つけて(探せば必ず見つかる)対処することに専念されてしまいます。ためしに「私の健康状態はいかがですか」と医者に聞いてごらんなさい。「ふーむ」といいながら検査を進めて行って、なにか異常を見つけ薬を出されるのが落ちでしょう。
より高くより速くといったオリンピック精神のような「より健康」精神というお化けが彷徨っているような気がしてなりません。十人十色というが、現代人の健康観も多様です。水を飲むとき上手な飲み方がない(あるという人も沢山いますが、水は飲みたいときに飲めばよいのです)ように、よりよい健康というものはないのです。最近、やたらペットボトルから水を飲んでいる人を見かけるようになりました。水の惑星の水の生物ですから悪いことではないと思いますが、子供のころにはあまり水を飲むなと注意されたことが思い出されます。健康に良いことも時代とともに変わるので、あまり神経質にならないように。ニーチェが言ったように、「健康そのものというものはない」のだから。
健康について思いを巡らすのが心です、その心が伸縮自在であるために心のストレッチが大事になってきます。ストレッチとは準備運動のことです。心も骨格筋や内臓筋のように伸ばしたり縮めたりすることができるものです。筋肉が加齢とともに弱く固くなるように心も放っておけば固くなります。固くなると新しいことを受け入れる余裕が無くなり、いわゆる頑固者になって行きます。頑固が一概に悪いわけではありませんが年をとってなる頑固は悪いものです。心が固くなった末の頑固だからです。すべては心(万是心作)というのが仏教なかでも華厳経の説くところです。その心が固まってしまうのが頑固、頑固は不健康の代表といえるでしょう。
心を観察し、至らないところに気づいて伸ばす(ストレッチ)のが心のストレッチです。それは「心・魂の眼」の向きを変えることです。振りむけば後ろを見ることができるように、心の眼もその気になれば普段見ていない反対側を観ることができるものです。われわれの心を鷲づかみにしてしまうものが沢山あります。人によって違いますがイデオロギー、宗教、地位、お金、異性、先祖、子供などなんでもあります。健康もそのひとつかもしれません。あなたは「健康でなければならない」という考えに捉われていませんか。
心の向きを変えるのが心のストレッチです。考えても仕様のない、解決しないことは考えない、というのがお釈迦様の説かれたことです。健康とはなにかと深く考えないこと。健康問題は放っておいても可、放っておいた方がよいと思います。

 
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