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健康百話

2015-06-18
健康百話(23)健康寿命
長廻 紘

 75才以上を後期高齢者といい、この年齢を境に急激に肉体的、精神的な能力が衰えてきて各種疾患にかかり易くなり、罹ったら回復が遅くなります。俗に「めはまら、眼歯魔羅」という。人によって順序は違うが、この三つがすべて駄目になるのが後期である。後期でも三つとも健在な人ももちろん沢山いる。健在はよいが前立腺がんにご用心。
衰えには、いろいろな原因が複合的に作用していると考えられていて、そのうちでも筋力の低下が占める役割は大きい。個人差はあるが40才前後から徐々に筋肉量の減少傾向が見られ、その傾向は加齢とともに加速する。使わないと衰える廃用萎縮である。なぜそうなるかというと動くのが億劫になり運動量の減少、筋肉減少と肥満が同時多発的に起こり膝や腰への負担が増加し腰痛、膝痛が起こり悪循環に陥ります。とくに骨強度の低下がある女性では筋力低下で下半身が不安定になっているので転倒骨折に至りやすい。
身体に関しては何か不都合なことが起こったら誰でもそうであるが、特に老人では迅速に対処しないとそのことが因となって次の不都合が誘発されやすくなります。いったん落ち込むとアリ地獄のようなもので、もがけばもがくほど解決は遠ざかります。
生まれてから死ぬまでの期間が寿命。寿命には色々な言い方があって、平均寿命というのは0才から亡くなるまでの余命。余命はある年齢の人がそれから死ぬまでの期間のことです。平均寿命にたいして健康寿命という言い方があって、いつごろから市民権を得たか知らないが(20年前の広辞苑にはのっていない)最近はよく耳にします。健康寿命とは日常生活に制限のない期間をいい、平均寿命より短いのがふつうです。この両者が同じだとよいのだがそうでない処に悩みは尽きないものがあります。平成22年における健康寿命は男性70才(平均寿命80才)、女性74才(平均寿命86才)と平均寿命より10才以上短くなっています。この差の期間である10年は、寝たきりとは限らないが何らかの行動制限に見舞われていることを意味します。動物は動けなくなり食物を自分で取れなくなると死んで行きますが、人間はいつの頃からか食事がとれなくても生きて行かなければいけないようになっています。其れが幸か不幸かは各人の考え方次第です。
寝たきりになる原因として最も多いのが脳卒中で38%、転倒にひきつづく骨折(12%)、認知症(10%)などが続いています。「人はどんな悲惨な状態になっても慣れることができる」とはある程度生きた人はみな知っていることであるが、有名な人が言うとその人が言った言葉として残る。わたしが見た本にはドストエフスキーが言ったと書いてあった。人は誰でも悲惨を通り越すような悲しい目にしかも幾度となく遭っているが、その都度、何食わぬ顔をして生き返っている。その顔ができるから生きていると言える。しかし、非健康寿命期にはもはやその何食わぬ顔がない。やせ我慢が面倒になったり、出来なくなる。それこそが悲惨というものでしょう。

 
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