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健康百話

2014-07-10
健康百話(1)トムとジェリー
長廻 紘
 

元気に見えた高齢者が転んで足の骨を折って、それを期にめっきり弱るということはよく耳にします。ひどい場合はそのまま寝込んでしまいます。加齢とともに衰弱していたものが眼につかなかっただけで、骨折はきっかけにすぎず本当はその人のありのままの状態(正体)を分からせたという事でしょう。若い人は転んでも足を折りません。誰でも自分は健康だと信じ込んでいるものです。あにはからんやそうではなかったということは色々の方面であります。
最近「アナと雪の女王」が大ヒット中と聞きます。アメリカのアニメでもっとも有名なのはなんといっても「トムとジェリー」でしょう。ネズミのジェリーを追っかけて猫のトムは走り続け、崖を越えて空中を走る。ところが空中を走っているトムは何かをきっかけに足が地に着いていないのに気づく。気づくとともに真っ逆さまに地に落ちてしまいます。健康・不健康もそんなものではないでしょうか。健康と思えばこそ飛んだり跳ねたりできるが、自分の本当の姿を知ってしまったら怖くなってそんなことはできない。知らぬが仏。高齢者の転倒と骨折はトムが地を踏んでいないのに気づくのと同じ。転倒する前に昔と違う自分に気づけばベストですが。
癌は怖い病気の筆頭でありましょう。少なからぬ人は自分の体内に癌ができていてもまったく気づかずに呑気に日々を暮しています。癌が沈黙の病気(silent disease)といわれる所以です。それゆえ多くの人は癌があっても、トムのように空中を走っています。なにかのきっかけで癌に侵されていることを知る、知らされると意気消沈してしまい、それまでと身体はなんの変わりもないのにすっかり滅入ってしまいます。癌はある程度年をとってからの病ですから、それまでに癌と言われても驚かない人間に育っていないといけないという人もいますが、そんな人に限って癌と言われると必要以上にオタオタします。
癌もそうだが長年の生活習慣がもとになって発症する病気を生活習慣病といい、その代表に糖尿病があります。これも癌と同じようにある時期まで元気そのものです。ところがある日とつぜん眼が見えなくなる、足が腐ってしまう。あるいは腎不全、心筋梗塞、脳卒中になる。これまた猫のトムのようなものです。トムは猫ですから地に落ちても怪我一つしませんが、人間はそうはゆきません。死がお待ちかねです。
ではどうしたらよいのでしょうか。ある程度以上の年齢に達したら、今のところ外見上は健康至極だが、それはなにかの間違いであると考えた方がよい。こういうのは道学者流と言って嫌われるがお許しください。たとえば70才の人ならその年令相応の肉体であり、長年生きてきたことのツケが溜っている筈であろうと考える方がまともです。体力を過信して山で遭難。
酒と女は「にごう」までという教えがあります。なぜにごうかは不明ですが、語呂が良いので昔から言われています。おそらく二合飲めば気分は良くなり、かつ後を引かない。二号ぐらい居ないと社長をやっている意味がない。にごうに反して一升酒を飲んだり沢山の女に戯れたりしてはいけません。

 
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